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リサーチの成功を測るための、指標設計ガイド

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リサーチの成功を測るための、指標設計ガイド

「ユーザーの声を聞くのは大事だから」とリサーチ活動を始めたものの、どのように活動を評価すればいいのか、どんな目標を設定すればいいのか分からないケースは多くあります。

リサーチ活動における目標設定は、リサーチメンバーにとっても事業全体にとっても非常に重要です。

リサーチの目標設定はなぜ重要か?

ユーザーインタビューをはじめとしたリサーチ活動は「(なんとなく)やっておいた方がよい活動」と認識されやすく、なぜやるのか、どれぐらいやるべきか、ゴールや成果指標が具体的に議論されないこともあります。

一方で、リサーチの成果指標を設定しないまま、リサーチを行うと以下のような事態に陥ります。

  • リサーチに対する重要度の認識が曖昧で、スピード感が出ない(意思決定に時間がかかる)
  • リサーチの実施や分析に時間がかかり、他の業務が圧迫される
  • 目的や仮説が曖昧な状態で「リサーチでなんとかして」と無茶振りされ、結果としてリサーチもうまくいかない
  • リサーチ活動を行っているのに、会社として評価されず、リサーチ活動やリサーチメンバーのプレゼンスが下がる(予算や裁量が制限される)

リサーチ活動は、なんとなくで続けても決して効果は出ません。それどころか、リサーチの計画や実施、分析、共有、活用など、想像以上のコストがかかるため、適切な目標設定なしでは、コストセンター(利益を生まない部門)になりかねないのです。

先行指標と遅行指標

では、どのような指標を設計すると良いのでしょうか?

リサーチ活動を適切に評価するためには、以下の2種類の指標を設定することが重要です。

「先行指標A」「先行指標B」「先行指標C」と書かれたカードから、「遅行指標X」と書かれたカードに対して矢印が付けられている図
  • 先行指標 ... 遅行指標を達成するための目標、KPI
  • 遅行指標 ... 先行指標を伸ばした結果伸びる重要目標、KGI

2つの指標は、学校のテスト勉強を例に考えると、直感的に理解できるかもしれません。
あるテストで80点を取ることをゴール(遅行指標)とし、そのために勉強時間や単語帳を先行指標とするような具合です。

「勉強1日3時間以上」「単語帳2周以上」「スマホ1日1時間以内」と書かれたカードから、「テストで80点を取る」というカードに対して矢印が引かれている図

つまり、遅行指標が「得たい結果」であり、先行指標は「結果を得るための予兆となる指標」となります。先行指標を追いかければ、遅行指標を達成できるようにすることが重要です。

リサーチにおける先行指標と遅行指標の例

リサーチ活動やリサーチメンバーを適切に評価し、改善を繰り返していくためには、先行指標と遅行指標の両方を設計しましょう。

そして、最も基本的なリサーチ指標設計の型は、以下のように「リサーチ系指標」を先行指標とし、「事業系指標」を遅行指標とすることです。

「リサーチ系指標A」「リサーチ系指標B」「リサーチ系指標C」というカードから、「事業系指標X」というカードに矢印が引かれている図

リサーチ系指標には、リサーチ活動自体の良し悪しを測る指標を設定します。代表的な指標は以下の2つです。

「期間あたりのインサイト数」「リサーチが活用された施策数」というカードから「事業系指標X」というカードへ矢印が引かれている図
  1. ある期間(1週間、1ヶ月など)あたりのインサイト数
  2. リサーチやインサイトが活用された施策数

これらの指標を追いかけることで、リサーチのやりっぱなしや不必要なリサーチ活動を減らし、効果的なリサーチが増えるようになります。

事業系指標には、アクティブユーザーやコンバージョン率、解約率など、事業が追いかけている指標を設定しましょう。

「期間あたりのインサイト数」「リサーチが活用された施策数」というカードから「ユーザー継続率」というカードへ矢印が引かれている図

プロダクトやマーケティング、カスタマーサクセスなど、さまざまな領域における事業目標の中で、リサーチで達成したい事業目標を設定します。

「期間あたりのインサイト数」「リサーチが活用された施策数」というカードから「コンバージョン率」というカードへ矢印が引かれている図

遅行指標は、すでに他チームによって十分に検討されている場合も多くあります。そのため、リサーチチームやリサーチャーのみで検討せず、「今、事業のどの指標が重要であり喫緊なのか?」を他職種を巻き込みながら設計しましょう。

また、他職種からリサーチの依頼や相談を受けた際には、必ず「このリサーチによって、達成したいこと」について、指標レベルですり合わせをしておくと良いでしょう。

Centouではリサーチの指標設計からフロー改善までサポートしており、ご興味のある方はぜひこちらからお問い合わせください。

優れた指標は、リサーチを企業の競争力にする

リサーチを「なんとなく重要そうだから」とやっている企業と、適切に目標設定をして、改善を繰り返している企業では、得られるインサイトの質や数、そこから生まれた施策の数など、大きく変わってきます。

リサーチは、ついプロセスや分析手法に目線がいってしまいますが、指標がない中で分析方法やプロセスに目線を向けることは、ルールも分からないスポーツでバットにするか、ラケットで戦うか悩んでいるようなものです。 自社に合った先行指標と遅行指標を設定することで、リサーチ活動を自社の競争優位性の一つにしましょう。

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Author

Kenji Kato

Kenji Kato

年間400名以上のユーザーインタビューを実践、5回の事業立ち上げ、顧客インサイトを活用し年間売上9倍の成長などを経て、現在はインサイトマネジメントシステム「Centou」のプロダクト責任者をしています。「あらゆる企業やチームがインサイト駆動で成長できる未来をつくる」をモットーに、さまざまな組織のインサイトマネジメントを支援しています。

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