centou

「C向けサービスはセンスではない」—— Z世代の熱狂を生む、新しいカメラアプリにおけるインサイトマネジメント

「C向けサービスはセンスではない」—— Z世代の熱狂を生む、新しいカメラアプリにおけるインサイトマネジメント

「C向けサービスは、よくセンスだとか運だとか言われるんですが、実は全く違うと思っています。」—— こう語るのは、中高生向けのカメラアプリを開発するスタートアップ「TrashX」のCEOである、13an(読み : バン)氏。

13an氏の率いるTrashXチームでは、「撮るだけで友達に送れる」新しいカメラアプリとして「Now Camera」を開発し、Z世代を中心に大きな熱狂を呼んでいます。

新進気鋭、超少数精鋭のこのスタートアップは、なぜZ世代の心をつかむことができるのか?その裏には、徹底的なインサイトマネジメントがありました。

プロフィール

Now Camera

株式会社TrashXが提供する、友達と写真を撮るだけで共有できるカメラアプリ

13an

CEO / デザイナー

目次

数多のカメラアプリの中で、Z世代が熱狂する「Now Camera」

—— 今日はお時間いただきありがとうございます。まずは、13anさんについて教えてください。

13anさん:TrashXというスタートアップを創業し、CEO兼デザイナーとして活動している13anです。創業してから、いくつかのC向けアプリを作ってきて、今は「Now Camera」をつくっています。

チームは、私を入れて現在5名ほどです。ほとんどが開発メンバーで、エンジニアもユーザーインタビューにでながら開発を進めています。

—— Now Cameraは、中高生を中心に使われていると聞いています。どのようなアプリなのでしょうか?

13anさん:Now Cameraは、友達と写真を撮るだけで共有できる、新しいカメラアプリです。

これまでは、写真の撮影はカメラアプリ、共有はAirDropやLINEアルバムなど、それぞれ別々で行われていました。

しかし、特に中高生では、友達と遊びに行って撮った写真をその場ですぐにお互いに共有して、インスタにアップするといったシーンがあるんです。そんな時に「撮った写真をその場ですぐ共有したい」というインサイトを満たす存在がNow Cameraです。

13anさん:リリースしてから半年ほどなのですが、これまでに多くの嬉しい声をいただいており、良い意味で開発がユーザーに追われているような状況ですね。

ユーザーインタビューは当たり前。でも頭の中にあるだけではダメ。

—— 熱狂的なユーザーが次々と生まれている状況なんですね。少数のチームで、これだけのユーザーの熱狂を生めている秘訣は何なのでしょうか?

13anさん:これまで相当な数のユーザーインタビューをやってきたことは一つの要因かもしれません。中高生に聞いては改善し、また聞く...そのサイクルで、これまでに500名程度はインタビューをしてきました。

一方で、インタビューだけではダメなことに途中から気づいたんです。得られたインサイトを「チームで共有できる仕組み」があって、初めてインタビューは活きるんです。

—— インタビューだけではダメだと気づいたタイミングでは、具体的にどのような問題が起こっていたのでしょうか?

13anさん:インタビューをしたら、Notionにメモを残しておくことやSlackでチームメンバーにサマリーを共有するようなことはずっとやっていたんです。

でも、やはり長い議事録は見られないですし、Slackでは情報が流れてしまいます。そうすると、結局得られたインサイトは自分の脳内にしかない状態になるんです。当然、開発メンバーにうまく共有できなかったり、自分でも忘れてしまうこともありました。

13anさん:当時は「なんで伝わらないんだ...」と悩んだこともありましたし、自分自身はユーザーを見ながらデザインしているのに、伝わらなさのせいでエンジニアメンバーが(本来はユーザーを見るべきなのに)PMでありデザイナーの自分を見ながら開発せざるをえない状況でした。

そのような状況だと、「なぜ(他でもなく)この機能の優先度が高いのか?」「なぜ他の要望やバグではないのか」にズレが生まれますし、コミュニケーションコストも増えます。

これらの認識のズレは、価値を届けるスピードの低下に直結しますし、スタートアップの私たちにとって納得感の欠如とスピード低下は、命取りなんです。

インタビューの数も質もそれなりに自信はあったんですが、そこから得たインサイトを”チームで”扱う仕組みがないせいで、納得感のなさや開発スピードの低さを招いてしまっていたんです。

インサイトという「オブジェクト」を、チームが触れるようになったのがCentou

—— インタビューなどで得たインサイトを、チームで扱うためにどのような取り組みをしましたか?

13anさん:大きく2つあります。1つはインサイトマネジメントツールの導入、もう1つは開発メンバーも一緒にインタビューにいくタイミングを設けるように開発フローを見直したことです。

1つ目は、Centouの導入です。

先ほどもお話した通り、インタビューの数は相当やってきましたが、チームで共有できなければ最終的に熱狂を生むような良いものづくりはできません。

これまでも開発プロジェクトや施策を進める際に、「なぜこの機能を開発するのか?」など、優先度や背景は、丁寧に書いてきました。

しかし、エンジニアや他メンバーからすると「それって本当なの?」「他にも修正したいバグや、いただいている要望がある中で、どのぐらいの優先度?」など、彼ら自身では確かめづらく、あくまで根拠は私の頭の中にしかなかったんです...。

13anさん:このような「たどれない状態」を解消するためには、やはり課題とインサイト、インサイトと元のインタビュー、など「情報どうしのつながり」が必須です。

そして、これまでのツールではデータのつながりを表現できず、結局それぞれの頭の中にしかない状態だったんです。

「チームの誰でもがたどれる」「ちょうど良い情報の単位・オブジェクト」としてインサイトを扱えるのがCentouだったため、導入を決めました。

13anさん:これまで脳内にしかなかった / いろんな箇所に散らばっていたインサイトというオブジェクト(関心ごと)を、チームで触れる = 議論可能な状態にしたのがCentouだと思っています。

Centouを使えば、簡単にインタビューデータとインサイトをつなげることができますし、つながっていれば、エンジニアにとっても自分にとっても、いつでもインサイトと根拠を行き来できるんです。

13anさん:また、Notionでプロジェクト管理を行っているのですが、そこにも「なぜやるか」の説明として、Centouのリンクを貼り付けるようにしています。

13anさん:インサイトというオブジェクト(関心ごと)が、Centouを通じてチームで触れる = 議論できる状態になったことで、これまでのインタビューが無駄にならず、余す所なく熱狂を生むためのモノづくりに活かせるようになりました。

13anさん:また、これだけでは、まだまだエンジニアメンバーにとって肌感を持ちづらい場面もあります。

そこで、週に1度は時間をとってエンジニアも含めてインタビューに行くようにしています。

やはり生の声を聞くと、Centouのインサイトデータを見た時の納得感も大きく違うんです。インサイトを共有できる仕組みとセットで、一次情報に触れられる機会も用意しました。

C向けサービスはセンスではなく、科学の連続。

—— Now Cameraが熱狂を生む理由がよく伝わりました。では、13anさんにとって、ユーザーインサイトとは、一体どのようなものなのでしょうか?

13anさん:難しい質問ですね(笑)

そうですね、私にとって、ユーザーインサイトはビジョンやカルチャーに並ぶ重要な指針です。

C向けサービスって、よくセンスとか運って言われるんですが、そんなことはないと思ってます。センスというふわっとした言葉で片付けてしまうのは、開発者たちによるインサイトの探索という努力の結晶をないがしろにしているんじゃないかと感じます。

13anさん:確かに、C向けサービスは目的も行動も多様な生活者を理解する必要があります。しかも、感情を動かすことがより重要なため、曖昧で複雑に感じられるのかもしれません。

それでも、ロジックがありますし、科学することができます。Centouは、私たちのチームの科学の結果が集まっている場所ですし、インサイトが集まるほどKPIが伸びるようになっています。

実際に、

  • 利用開始初日に、ある重要な操作を完了するユーザーの割合が40%増加
  • ユーザー獲得にかかる費用(CPI)が、(業界平均600円ほどと言われる中)平均4円

など、インサイト活用によって、熱狂を生む方法に再現性を持たせられるようになってきました。

スタートアップの私たちが勝負するべきは、間違いなくインサイトだと思いますし、インサイトは私たちにとって「あって当たり前だし、ない方がおかしい」と言える存在です。

—— インサイト起点でプロダクトを伸ばす素晴らしいチームですね。最後に、TrashXとしての今後の展望を教えてください。

13anさん:まずは最初のターゲットである中高生に、プロダクトを熱狂的に使ってもらうところは、一定できてきました。

ここからは、カメラ技術のコアな部分をより活用したフィルター機能や、大量の写真をスムーズに処理するような、より「特定のインサイトを、圧倒的に深く満たす」ような動き方が求められます。

ただ単に写真アルバムとして保存しておくのではなく、「思い出のより良い残し方」を発明していきたいと思ってるんです。

そうなると、必要な技術もより高度になってくるため、インサイトを踏まえて高い技術力を発揮したいというエンジニアが、今チームに一番必要な存在です。

豊富なインサイトをもとに、ユーザーが喜ぶものづくりができる環境は整ってきているので、高い技術力を、必ずプロダクトが伸びる方向に使えると約束できます。気軽な雑談でもよいですし、Xで絡んでいただけたらすぐ反応します笑

—— チーム拡大が次の目標ですね。インサイト起点で、次々とユーザーの熱狂を生み出すTrashXチームを、今後ともぜひCentouでサポートさせてください!

コピーしました
X

あなたのチームも、
インサイトマネジメントを
はじめませんか?

インサイトマネジメントは、ユーザー理解から事業を伸ばしたいあなたの味方です。
「顧客の声は聞いているのに成果が出ない」「チームの認識がズレる、スピードが遅い」
そんなお悩みから解放され、顧客に向き合うほど事業が伸びるしくみを実現しましょう。

こんな事例もおすすめ