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脅威の2500万ダウンロード —— わずか30名の組織は、どうやってインサイト起点で事業を伸ばし続けているのか?

脅威の2500万ダウンロード —— わずか30名の組織は、どうやってインサイト起点で事業を伸ばし続けているのか?

2500万以上ダウンロードされているアプリが、わずか30名ほどの組織で運営されている。 —— GMOタウンWiFi株式会社(以下、GMOタウンWiFi)が提供する「タウンWiFi byGMO」(以下、タウンWiFi)は、隠れた成長企業だ。

躍進をつづけてきた同社の成長の秘訣について、独占取材を実施。その裏側には、ユーザー理解をもれなく事業成長に還元するための、すばらしいインサイトマネジメントの仕組みがあった。

具体的なインサイトの活用方法、インサイトマネジメントに取り組むべき理由を、CPOとデザイナーの視点で徹底的に掘り下げる。

プロフィール

タウンWiFi

ポイントが貯まるWiFi自動接続アプリ

松野 峻也

取締役CPO

長 由季子

デザイナー

目次

通信へのペインを解決するアプリが1800万ダウンロード

—— 今日はお時間いただきありがとうございます。まずは、お二人について教えてください。

CPOの松野さん

松野さん:GMOタウンWiFiで、取締役CPOをしています。新卒で楽天にエンジニアとして入社後、現在の代表である荻田に誘われてGMOタウンWiFiにジョインしました。

現在は、プロダクトの計画策定やプロダクトサークル(※)全体のサークルリードも担当しています。

※ 同社では、ホラクラシー組織を採用しており、「サークル」と呼ばれる単位で活動している。

デザイナーの長さん(手前)

長さん:デザイナーをしています、長です。ホラクラシー組織や自律的なメンバーなど、ユニークな組織に共感して、2023年12月に入社しました。

アプリのUIデザインを行うデザインサークルでの活動をメインにしながら、施策決定サークルや、ユーザーリサーチサークルなど、状況に応じて動き方を変えています。

—— 事業成長の秘訣をお聞きするにあたって、改めて、どのようなサービスを提供されているか、お聞かせください。

松野さん:タウンWiFiは、2016年にリリースしたアプリです。街中のフリーWi-Fiなどに自動で接続できる機能をコア機能として、Wi-Fiをより便利に使うお手伝いをしています。また、Wi-Fiに繋がるとポイントを貯められるポイント機能など、Wi-Fi接続によって、さまざまなお得な体験を届けるアプリです。

リリース当初から、通信制限やWi-Fi接続時の手間など「通信に関するペイン」を解決するサービスとして、昨年には2500万ダウンロードを突破しました。

利用いただいたユーザーさんからも、ありがたいお声を多くいただいています。

タウンWiFiを利用するユーザーの声の例

松野さん:こう見ると順調に見えるかもしれませんが、伸び悩んだ時期もありました。

そのタイミングで、ユーザーリサーチサークルなどのチームを作ったり、インサイトマネジメントの取り組みをスタートしたんです。

事業が伸び悩む、打開策は「インサイト基盤」づくり

—— 伸び悩んだ時期があるとうかがいましたが、具体的には、どのような問題が起こっていたのでしょうか?

松野さん:以前は、オフラインでユーザーさんとお会いするなど、インタビューとまでいかないものの、お話を聞く機会はあったんです。

しかし、正直なところ、インタビューなどの定性調査をしなくても事業が伸びていた時期もありました。その時期に、その場の事業の伸びに甘んじてユーザーさんの声を聞かなかったんです。。すると、徐々にプロダクト施策やマーケ施策が、イマイチ効果が出ないようになってきたのです...。

社内からも「本当にこの施策でいいのか?」と疑問が出るものの、ユーザー視点で「これが必要だ」と答えられる根拠もあまりない状態でした。

このような伸び悩んでいる状況や、社内での意思決定スピードを早めたいこともあり、ユーザーリサーチサークルが立ち上がったんです。

長さん : 私が入社した際は、すでに50件ほどのインタビューが実施されており、録画データと、サマリーされたスプレッドシートが残っていた状態でした。

しかし、ここで問題が発生しました。過去のインタビューやユーザー像のキャッチアップが、非常に大変で、現在の方法では解決できなかったんです。

他にもデザイン業務やリサーチの業務がある中で、すべての録画を見返すのは現実的ではないですし、サマリーだけを見てもいまいち理解が進まなかったんです。

このプロダクトに関わる社内外のパートナー全員にユーザー理解を深めてもらいたいですし、今後もパートナーが増えていくことや、インタビューもさらに増えることを考えると、今のデータ管理ではマズいと感じて、Centouの導入を検討しはじめました。

最速で、最“深”のユーザー理解ができる仕組みとしてCentouを導入

—— 伸び悩んだタイミングでの打開策として、また最適なキャッチアップ方法として、Centouを検討されたのですね。

長さん:はい。以前からCentouのことは知っており、興味を持っていました。お話したとおり、今までのデータ管理(録画・サマリー)ではない方法を模索している中で、インサイト起点で管理するCentouがピッタリだと感じたんです。

Centouの使い方自体は非常にシンプルです。一方で「どうデータ設計するか?どう運用するか?」は、自社にあった方法を自分たちで考えないといけませんでした。

タウンWiFiは仕組み化に強いこだわりがある会社です。手間はかかるけどなんとなく試しにやってみよう、というような事は出来ません。

そんな中で、Centouの担当者がリサーチやデータ設計にも詳しく、さまざまな組織の事例も知っていたことも後押しとなり、安心感を持って導入を決定しました。

導入当初は短いスパンでミーティングして相談に乗ってもらいながら、データ設計を作り上げることが出来ました。

—— 当時、タウンWiFiにおけるインサイトマネジメントの重要性は、どのように考えてらっしゃったのでしょうか?

松野さん:タウンWiFiは、もともとは代表の原体験から生まれたサービスです。代表自身の原体験をもとに改善し伸びてきた経緯があります。しかしその後、スマホのギガも大容量で出てきてユーザーの環境も変化したり、類似のアプリも出てきました。ユーザーも驚くほど多様になってきました。

つまり、だんだんと「自分自身がドンピシャなユーザーである」と言えなくなってきたんです。

そのような状況で、「ユーザーとのズレをいかになくせるか?」は、施策を進める上で非常に重要な論点なんです。

長さん:インタビューのサマリーを見ると「最速」では理解できますが、十分に深さは出ません。

動画では、深く理解できるかもしれませんが、あまりに時間もかかりますし、見るべきポイントも散り散りです。こちらは深さはありますが、速さはありません。

Centouであれば、インサイトをベースに理解し、分からなければ原文まで遡れるため、浅い理解にならない仕組みになっています。

この最速で、最“深”のユーザー理解ができることが、少数でも大きな成果を生み出すための必須条件だと考えています。

インサイトは、方針レベルから活用

—— 具体的には、どのようにCentouを活用して、事業成長につなげていますか?

松野さん:半年に一度、事業目標やプロダクトの利用状況を踏まえて、プロダクトの方針を設定しています。

Centouで出ているインサイトのうち、多くのユーザーが抱えているものや、課題が深いものをピックアップして、ほぼそのまま方針として設定しています。

これまでのプロダクト方針決定の際は、もちろん数値なども見ていましたが「なんとなくこんな感じなんじゃないか?」で決めてしまっていた部分も正直あり、不安もありました。

Centouによって、インサイトをいつでも取り出せるようになったことで、方針の優先順位もユーザーインサイトを踏まえて決められるようになったということは、とても大きなことだと感じています。

—— たとえば、方針にはどのようなインサイトをピックアップされているのでしょうか?

松野さん:わかりやすい例を挙げるとすれば、ポイント交換の体験でしょうか。

「ユーザーは魅力的な交換先を求めているが、実際にある交換先を知らない」というインサイトがあったんです。

アンケートで今後増やして欲しい交換先を聞いたところ、既に実装されている交換先を挙げてくださるユーザーが多く、交換先が豊富であることがきちんとユーザーに伝わっていないと考えました。

「魅力的な交換先に気づけるようにする」という方針のもと、交換先の画面UIを改善しました。

結果、ポイント機能を利用するユーザー数(日)や売上、広告視聴回数などが増加しました。

ユーザーは魅力的な交換先を認知することで、結果的にポイ活の意欲が高まるということが分かった良い施策になりました。

具体の施策でも、あらゆる場面でインサイトを活用

—— 戦略レベルで、しっかりとインサイトを活用されててさすがです。具体的な施策でのインサイト活用は、どのように行っていますか?

長さん:プロダクトのUIデザインを考える際にも、さまざまな場面でインサイトが必要です。

  • 開発する機能への導線(使いたいシーンで機能が見つけられるか?)
  • 表示する情報の量や優先順位(ユーザーが得たい結果に辿り着けるか?)
  • グラフィックやライティング(心地よく使えるか?)

さらに、タウンWiFiのようにユーザー層が幅広いサービスでは、利用シーンもさまざまです。Wi-Fi接続というユースケースを切り取っても、通勤中の駅でフリーWi-Fiにつなぐ場面もあれば、お気に入りのカフェでWi-Fiにつないでゆっくり過ごす場面もあります。

インサイトが貯まっていれば、UIを決める上での上記のようなデザインで押さえるべきポイントを、常に考えやすい状態にすることができるんです。

—— 具体的には、どのような施策でインサイトを活用されているのでしょうか?

長さん:例えば、タウンWiFiでは、Wi-Fi接続やクイズ、広告の閲覧などによってポイントの獲得ができるような仕組みがあります。

プロダクトとしては、ポイントを獲得してもらうユーザーを増やそうと考えている中で、「どんなモチベーションでタウンWiFiを利用しているか?」についてインタビューを定期的に行ってきました。

すると、クイズを使うユーザーの中に「金銭的な報酬(例 : Wi-Fi接続やポイントよるお得感)だけでなく、知識欲を満たせるのが楽しくて利用している」というインサイトが多くありました。

そのユーザーの中には、ポイント交換(現金化)もしたことがないし、しようと考えていない方も一定の割合でいたんです。

私が持っていたポイ活ユーザーのイメージとは違っていて、驚きました。

そのインサイトが元になり、「今日は何の日?」というコーナーを新設し、ユーザーに新しいコンテンツを提供することができました。

A/Bテストも踏まえ、結果としてこの機能は非常に好評で、正式にリリースされることになりました。

インサイトのデータ構造こそ鍵。さらに成長のドライバーにするために

—— 戦略から施策まで、あらゆる場面でインサイトを活用するGMOタウンWiFiの、今後の展望を教えてください。

松野さん:ユーザーさんの要望やインタビュー、そしてそこからインサイトを拾っていくことは、非常に泥臭く、やり続けるべきことだと考えています。

Centouによって、このインサイトを拾い続けることが、綺麗に仕組み化できていると考えています。

インサイトがより意思決定に使えるようになってきたからこそ、貯まったインサイトデータをどう分類するかなどのデータ設計、データ構造が非常に重要です。

ここから新規プロダクトにも着手していくため、データ構造もさらに磨いていければと思っています。

長さん:アンケートやインタビューデータからインサイトを抽出して整理するフローはかなり出来上がってきました。Xの運用担当者が、Xで得たインサイトも蓄積してくれるようになりました。

今後はさらに、アプリストアのレビューやアプリへのお問い合わせなども、どんどんインサイトデータとして扱えるようにしていきたいと思っています。

アプリへのお問い合わせなどには、ユーザーさんのちょっとしたつまずきや引っ掛かりについてのインサイトがあるなど、データソースが違うと拾えるインサイトも変わってきます。

インサイトが貯まっていくほど、デザインはもちろん、その他の意思決定の質もますます上がってくるため、さらにインサイトを充実させていきたいです。

—— インサイトマネジメントでプロダクトを伸ばし続けるGMOタウンWiFiを、今後ともぜひCentouでサポートさせてください!

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