プロダクトマネージャーのための、ユーザーインサイト活用4つのポイント
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インサイト
プロダクトマネジメント

プロダクトの意思決定を行う役割である、プロダクトマネージャー(以下PM)。その活動範囲は、戦略から施策単位、ビジネス寄りから開発寄りまで、ますます多様になっています。
多様化するPMにおいて、共通して最も重要なスキルの1つとなるのが「正しくユーザーインサイトを活用すること」です。正しくインサイトを捉え、活用することによって、正確に課題を捉え、施策・戦略の成功率を大きく変えることができます。
では、PMがより良い結果を生み出すためのインサイト活用法とは何なのか?今回のドキュメントでは、PMを成功へ導くユーザーインサイトの活用方法についてポイント形式でご紹介します。
プロダクトの仮説は、さまざまな起点から生まれてきます。
年間計画や、事業ロードマップから具体化された仮説
PMなどの思いつきやアイデアによって生まれた仮説
特定のユーザー行動や要望から生まれた仮説
事業目線で生まれた仮説だとしても、ユーザー目線で生まれた仮説だとしても、「実際にユーザーに使ってもらえるか?」「どれぐらいのインパクト(影響)を生めるか」など、不確実さは常につきまといます。
不確実さを減らし、プロダクト仮説を成功へ導くためには、多くの場合において以下の3つの条件を達成することが必要です。

利用するユーザーや顧客にとって価値があること
(価値の対価として)お金などの事業価値が生まれていること
生まれた事業価値が、会社として正しい方向であること
そして、「ユーザーに使ってもらえるか・価値があると感じてもらえるか」(ユーザー価値)は、事業価値や企業価値をも左右する要素になります。上記の3つの条件を満たすためには、それぞれについて根拠となるユーザーインサイトを持っておくことが重要です。
例えば、以下のようにユーザーインサイトを踏まえることによって、より成功確率を高めることができます。
対象 | 必要なインサイトの例 | 活用先の例 |
|---|---|---|
1. ユーザー価値 | ユーザーの利用動機に関するインサイト | 新機能や新規プロダクトのアイデア |
1. ユーザー価値 | サービスが解決しようとしているシーンや課題についてのインサイト | 機能や施策の方向性決定 |
1. ユーザー価値 | 該当機能の使い勝手や操作性についてのインサイト | UIや仕様決定 |
2. 事業価値 | ユーザーが普段、お金を払っているものに関するインサイト | プライシング |
3. 企業価値 | ユーザーが自社プロダクトや類似サービスを使って達成したいゴールに関するインサイト | ロードマップ・中長期計画 |
ユーザー価値はもちろん、事業価値・企業価値に対しても、ユーザーインサイトを根拠として活用することができれば、不確実さを大きく減らし、「私たち(企業・チーム)は何をすべきか / どうすべきか」に集中することができます。
よくある失敗として、ある施策(例:機能リリース)の最終段階になってから仮説の最終調整のためだけにユーザーインサイトを活用してしまう場合です。

戦略 / 戦術レイヤー ... 企業目線や事業目線でのみ出されており、ユーザーが必要としているかは不明
戦略から具体化した機能案
UIや仕様レベル ... ユーザーが使いたいかどうかテスト
このように終盤のみユーザーインサイトを活用すると、そもそも上位の仮説や戦略が間違っている限り、ほとんど失敗に終わります。負けるゲームの中でなんとか勝ちを目指すよりも、そもそも勝てるゲームにする方が断然効果的です。

戦略レイヤーや、施策の方向性レベルで「ユーザーに必要とされてるか?」を検証するようにしましょう。
参考 : UXリサーチを戦略に活用する方法
「ユーザーの声を聞く」というと、「せっかくいただいたご要望は、なるべく反映しなきゃ」と思われる方が一定います。
要望をそのまま機能改善などに反映してしまう、いわゆる「御用聞き」をしてしまうことは、ほとんどの場合良い結果を生みません。

なぜなら、ユーザーは(たとえ普段その行動をしていたとしても)自分自身の課題を言語化することが仕事ではないからです。
Amazonの創業者であるジェフ・ベゾスも、以下のような言葉を残しています。
工夫をするのは顧客の仕事ではないと肝に銘じておくこと。顧客にはそれぞれ自分の仕事があり、彼らは彼らの顧客のために工夫を凝らしている。たとえフォーカスグループなどでフィードバックをしてもらっても、方向性が定まらないことが多いだろう。というのも顧客は自分の望みをはっきり把握しておく必要がないからだ。
—— ジェフ・ベゾス(2001年)
御用聞きを防ぐためには、「あくまで、意思決定するのは私たちである」というスタンスに立つことが重要です。

診察に来た方の意見を聞きながらも、原因や対処を自身で判断していくような、医者のような振る舞いが求められます。
そして、最後は自分たちが決めるスタンスに立つことで、ユーザーの発言や行動への捉え方も変わります。
「〇〇機能がほしい」という発言があれば、背景も聞くようにする(例 : 「〇〇機能がほしいとおっしゃった背景には、どんなことがありますか?」)
要望以前に、ユーザーの現状や環境も聞くようにする(例:「普段、Aさんは私たちのサービスをどんなタイミングで利用されていますか?」)
このように要望や意見の前提となっている部分や背景にある事実を捉えることで、より深い情報が得られます。
発言や要望をそのまま鵜呑みにするのではなく、思考プロセスに「インサイトへの変換」ステップを挟むことで、本質的な仮説を導きましょう。
あなたはユーザーインタビューによって、あるユーザーインサイトを見つけたとします。発見の喜びのまま、開発チームに対して「ユーザーはこれがしたい!この機能を最優先でリリースしよう!」と意気揚々と伝えるかもしれません。
ここで注意すべきことは、「ユーザーインサイトは、他にも無数にある」ということです。

捉えたインサイトにすぐに飛びつくと、以下のような可能性を見落としてしまいます。
より多くのリサーチに基づいたインサイトを見落とす可能性
ピックアップしたインサイトが、「あってもなくても良い」(nice to have)レベルのインサイトである可能性(重要度の低いインサイトである可能性)
これらの可能性を見落とさないようにするには、特定のインサイトを見つけたらすぐに飛びつくのではなく、他のインサイトも並べて俯瞰して比較すると良いでしょう。

引いてみることで、より少ない工数でより大きなインパクトを生み出すことができます。特にBtoBサービスなどは顧客の継続利用と獲得など、複数のファネルに良い影響を与えられる可能性もあります。
早期から過去データも含めてインサイトの蓄積を行い、インサイトベースで比較・参照できるようにしましょう。
プロダクトマネジメントにおける、ユーザーインサイト活用の4つのポイントをご紹介しました。
不確実さを減らす根拠としてインサイトを使う
早い段階からインサイトを取り入れる
医者のように振る舞う(御用聞きをしない)
少し引いてみる(飛びつかない)
飛躍的な成長を遂げたプロダクトでは、必ずインサイトをもとにしたプロダクト開発が行われています。Amazonの1クリック注文機能や、Instagramのストーリーズ機能、Zoomのブレイクアウトルーム機能など、挙げればキリがないほどインサイト活用とプロダクトの成功は密接に結びついています。
抜きん出た結果を出すためには、定量データや競合調査に加えて、正しくユーザーインサイトを活用することが不可欠です。
Centouでは、インサイトの分析・蓄積・可視化をスムーズに行うことができます。プロダクトにインサイトを活用したい方は、ぜひこちらのページからお問合せください。
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Author

Kenji Kato
年間400名以上のユーザーインタビューを実践、5回の事業立ち上げ、顧客インサイトを活用し年間売上9倍の成長などを経て、現在はインサイトマネジメントシステム「Centou」のプロダクト責任者をしています。「あらゆる企業やチームがインサイト駆動で成長できる未来をつくる」をモットーに、さまざまな組織のインサイトマネジメントを支援しています。
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