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プロダクト仮説と、ユーザーインサイトの関係性

5min
  • インサイトマネジメント
  • 仮説検証
プロダクト仮説と、ユーザーインサイトの関係性

プロダクトづくりや事業づくりは、仮説検証の連続です。 素早く仮説検証を繰り返しながら、ユーザー・顧客を増やし、売上を増加させることで、あなたの事業は成長します。

そしてプロダクト仮説の検証では、よく「ユーザーの声を聞こう」(Get out of the buildingを略してGOOBなどと呼ばれることも)と言われます。

一方で、ユーザーの声を聞いた後、どのように仮説に反映するのか?ユーザーの声を聞くだけで良いのか?など、仮説とユーザーの声の間は不透明な部分も多くあります。

本ドキュメントでは、「プロダクト仮説と、ユーザーインサイトの関係性」をテーマに、プロダクト仮説の考え方や、仮説検証の進め方を紹介します。

プロダクトは、仮説の集合である

あなたのプロダクトを、あるユーザー(生活者)が見た時、どのように説明するでしょうか?

「〇〇ができるサービス」「XXするアプリ」など、さまざまな回答が返ってくるかと思います。

この時ユーザーは、あなたのプロダクトをある1つの形として捉えていると言えます。

人物のアイコンから、四角形へと矢印が引かれ、ユーザーから見たプロダクトが表されている

一方で、つくり手の目線で捉え直すと、プロダクトには、複数の機能や価値があることがほとんどです。

1つにまとまっているように見えるプロダクトも、いくつかの機能の組み合わせでできており、機能の元は仮説です。つまり、プロダクトは仮説の集合であると言えるのです。

四角形を分解し、いくつかの形に分けられている様子が描かれている

そして、それぞれの仮説が間違っていたり、検証されないまま放置されると、当然プロダクトづくりは失敗します。

  • そもそも筋の悪い仮説
  • 検証されないまま放置された仮説

これらをまとめて「微妙な仮説」とすると、微妙な仮説を積み重ねたプロダクトは、まるでハウルの動く城のように、いつ崩れてもおかしくない状態になります。

微妙な仮説の積み重ね = プロダクトの失敗

そして、多くの微妙な仮説の特徴として、「なぜその機能が選ばれているか?」が欠落しているため、改善の方向性が非常に曖昧であることが挙げられます。

改善の方向性が不明確であれば、無駄なリソース(時間・お金)を費やしてしまう可能性が高いでしょう。

つまり、プロダクトの成功とは、筋の良い仮説を積み上げることに他なりません。

仮説の良さは、「横」と「縦」で決まる

では、筋の良いプロダクト仮説とは、一体何を指すのでしょうか?

ここでは、プロダクト仮説を2つの要素に分けて考えてみます。

プロダクト仮説はT字型である
  1. 仮説の方向性(例 : どんな施策にするか?)
  2. 仮説の具体度(例 : どんなUI・実装にするか?)

2つの要素は、T字のように横軸と縦軸で構成されています。

T字のように捉えると、仮説が間違っているとは、「方向性が間違っているパターン」「アウトプット(UI / 実装など)が間違っているパターン」に分かれます。

良い方向性の施策だったとしても、あまりに使いづらいUI・情報設計であったり、とてつもなく処理が遅ければ、結果として、その仮説は失敗に終わるでしょう。

音楽ストリーミングサービスのSpotifyでは、開発初期にとにかく「再生ボタンを押してから、再生されるまでの秒数」にこだわったそうです。これは、「ストリーミングでの音楽視聴体験」という仮説の具体度を検証するためのこだわりだと捉えられます。

ユーザーインサイトは、横軸にも縦軸にも必要

プロダクト仮説を、T字のように横軸と縦軸に分解すると、プロダクト仮説が成功するためには、以下の2つが必要になります。

  1. 横軸 : 良い方向性を選ぶこと
  2. 縦軸 : 良い具体化をすること

まずは良い方向性を選ぶためには、「早い段階からインサイトを入れる」ことが重要です。

逆に、方向性を企業目線のみや定量データのみで決めてしまい、「なぜ使われるか?」が欠けている仮説のまま進め、リリース直前になってユーザビリティテストに走っても、結果はほとんど失敗に終わることが多いでしょう。

帳尻合わせとしてのインサイト : 戦略や施策レベルで「なぜ使われるか?」が不明なまま、具体的な仕様やUIデザイン段階でインサイトをこじつけてもうまくいかない

詳しくは、「プロダクトマネージャーのための、ユーザーインサイト活用4つのポイント」をご覧ください。

そして、良い具体化をするには、ユーザーが行いたい操作・アクションや、必要な情報についてのインサイトが必要です。

仮説の具体化を進める流れや、詳細の考え方は、「デザイナーのためのインサイト活用プレイブック」をご覧ください。

"インサイト"への大きな誤解

ここまで、プロダクトと仮説、仮説とインサイトの関係性を整理してきました。

  • プロダクト = 仮説の集合
  • 仮説 = 横 (方向性) × 縦 (具体度)
  • 横軸にも、縦軸にもインサイトを活用することで、仮説の筋がよくなる

このように整理すると、ユーザーインサイトとはさまざまな意思決定のレイヤーで必要な判断材料であることが分かります。

ユーザーインサイトへの最も大きな誤解の1つは、「何か魔法のような、絶対解となる1つのインサイトを得られれば、あとは全てうまくいく」と考えてしまうことです。

プロダクトづくりにおけるユーザーインサイトは、もっと連続的で多面的なものだと考えるべきです。

あなたのプロダクトが成長し、拡張するたびに新しいインサイトの必要性に迫られるでしょう。

そして、一度良い方向性を得られたとしても、具体化するたびに別のインサイトが求められるでしょう。

ユーザーインサイトを得る活動(あるいはリサーチ活動)は、「正解を1つ見つけたらOKなゲーム」ではなく、「継続的に、多面的に集めることこそ重要なゲーム」だと言えます。

良い仮説検証のためには、良いインサイトマネジメントが必要

プロダクト仮説を筋の良いものにするためには、「横軸」と「縦軸」でのインサイト管理が必須になります。

  1. どの方向に進むべきかを考える材料としてのインサイトが豊富にあること
  2. ある方向について、どう具体化していくべきかを考える材料としてのインサイトが豊富にあること

仮説と同様に、インサイトにも幅や深さが求められ、一度に全てを集められるものではありません。

徐々に仮説検証やリサーチを繰り返しながら、少しずつ充実させていくような運用型のデータ蓄積活動が必須です。この継続的なインサイト蓄積・運用、つまり「インサイトマネジメント」が筋の良い仮説を生み続けるためには不可欠です。

インサイトマネジメントをすることにより、「10本に1本あたればいいや」といった博打的で雲をつかむような仮説検証から、(インサイトのデータベースから都度必要なインサイトを選び取り)「ヒットは確実、あとはどうホームランにするか」という仮説検証サイクルが実現します。

Centouでは、日本初のインサイトマネジメントシステムを提供しています。筋の良い仮説を生み続けたい方や、仮説の打率を高めたい方は、ぜひこちらのページからお問い合わせをお願いします。

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Author

Kenji Kato

Kenji Kato

年間400名以上のユーザーインタビューを実践、5回の事業立ち上げ、顧客インサイトを活用し年間売上9倍の成長などを経て、現在はインサイトマネジメントシステム「Centou」のプロダクト責任者をしています。「あらゆる企業やチームがインサイト駆動で成長できる未来をつくる」をモットーに、さまざまな組織のインサイトマネジメントを支援しています。

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