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定性データで新たな価値を生む「インサイトマネージャー」という役割について

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定性データで新たな価値を生む「インサイトマネージャー」という役割について

近年、多くの企業や職種で、当たり前のようにユーザーインタビューが行われるようになってきました。

「定性データ」という切り口で見ると、ユーザインタビューだけではなくカスタマーサクセスやセールスなど、多くの情報源があります。

このような「定性データの情報源の多様化」にともなって、「インサイトマネージャー」という役割が求められています。

本ドキュメントでは、定性データの価値を飛躍的に向上させるインサイトマネージャーの役割や、導入の進め方について解説します。

"定性データのサイロ化"問題

プロダクト改善のためのユーザーインタビュー、商談、カスタマーサクセスでの顧客接点、マーケ文脈でのアンケート...

いまや定性データは、あらゆる職種や部門に溢れています。

このような状況の中で起こることが、「定性データのサイロ化」問題です。得られた定性データが特定の職種やプロジェクトの中でしか扱われない状況を指します。

このような状況では、限られたデータの中での意思決定しかできず、小さな結論(細かな最適化のアイデア)しか得られず、データの価値が低くなるのです。

定性データのサイロ化が起こると、「セールスで得られたデータはセールスで改善...」など、部門を超えた抜本的な改善のチャンスを失います。

そればかりでなく、部門やプロジェクトによってますます顧客理解はズレるようになります。

このように、定性データのサイロ化は、事業に対しても組織に対しても、多くのデメリットをもたらします。

インサイトマネージャーの必要性

定性データのサイロ化を避け、スピーディに大きな価値を生み出すための役割が「インサイトマネージャー」です。

インサイトマネージャーは、放置しておくとサイロ化されるデータやデータ活用に対して、「統合」と「再分配」を行う役割です。

インサイトマネージャーの主な役割は、以下のようなものです。

  1. 統合 : さまざまな定性データから共通点を見つけ、各職種やプロジェクトで活用しやすい「インサイトデータ」に変換する
  2. 再分配 : チームや該当職種など、適切な活用場所に対してインサイトデータを送り込む(インサイトと事業課題を紐づける)

この統合と再分配によって、各チームや各職種は、これまで得られなかったより大きな結論を得られるようになります。

「なんとなく、こんな機能が良いと思っていたが、不確実すぎて取り組めなかった...」「抜本的なプライシングの変更をするには、判断材料が足りず、今から集めるのも時間がかかりすぎる...」などなど、既存の価値を10倍にするような仮説に、確信を持って踏み切ることが可能になるのです。

インサイトマネージャーの担当領域

インサイトマネージャーが担当する領域は、大きく5つあります。

  1. 定性データの増加 ... 事業課題に合わせて、必要なデータを見極め、質の高い定性データを収集する領域。顧客インタビューのスキルや、足りていないデータを見極める設計スキルが求められる。
  2. インサイトの増加 ... 定性データどうしを繋ぎ合わせ、インサイトへ変換する領域。定性データの分析スキルが求められる。※ 参考 : 分析プロセス
  3. 高価値施策の増加 ... インサイトをもとにした、インパクトの大きな施策の増加を促す領域。事業課題(事業を主語にした会話)と、顧客課題(顧客を主語にした会話)の行き来が求められる。
  4. 顧客価値の増加 ... インパクトの大きな施策によって、売上やその他の指標を伸ばす領域。実行力はもちろん、戦略や計画へのフィードバック、リソース配分の見直し、適切なピボットを判断する力が求められる。
  5. イネーブルメント ... より1 ~ 4のサイクルが回るように、定性データを扱える人口を増やす領域。成功事例の創出や横展開、共有が求められる。

立ち上げ時期のフェーズでは、チームで兼任しながらそれぞれの領域を担うなど、事業の状況や組織体制によって、誰がどのようにインサイトマネージャーの役割を担うかは変化します。

※ 自社でのインサイトマネージャーの役割についてのご相談は、こちらのフォームからお気軽にご相談ください。

導入のメリットとデメリット

インサイトマネージャーの役割を導入するメリットは、多くあります。

メリット①

別の職種やプロジェクトで得られたデータを、自分のプロジェクトでも活用できる点

メリット②

異なる定性データの共通点を得られ、より説得力の高いデータにできる点

メリット③

職種やプロジェクトを超えた根本改善を実施できる点

メリット④

組織内での顧客像のズレをなくし、スムーズな施策実施ができる点

メリット⑤

重複するユーザーリサーチ活動を減らし、より価値あるリサーチ活動に投資ができる点

一方で、デメリットも一部あることを把握しておくことが必要です。

デメリット①

定性データとその活用の間に「インサイト」というレイヤーを挟むことへのコスト

これらのメリットやデメリットを考慮すると「このまま職種ごとに最適化・細分化を進めることが事業の勝ち筋」と考えられる場合には、インサイトマネージャーは不要でしょう。

逆に「新しい価値を、生んでいく必要があるタイミングやフェーズ」では、サイロを壊すインサイトマネージャーは間違いなく価値を発揮するでしょう。

インサイトマネージャーとは何であって何でないか?

ここまで、インサイトマネージャーの役割や導入のメリット / デメリットについて解説しました。

このセクションでは、より深い理解を得るために、よくある質問や類似のポジションと比較したインサイトマネージャーについて解説します。

よくある質問

回答

Q. ユーザーリサーチャーとは違うのか?

A. 責務が違う。

ユーザーリサーチャーは良質な情報を得ることに責任を持つパターンが多い一方、インサイトマネージャーは、データの統合と再分配に責任を持つ。

Q.専任が必要なのか?

A.最初は必要ない。

プロダクトマネージャーやデザイナーなど、「プロダクトや事業全体の価値を考えやすいポジション」が兼任すると導入がスムーズ。

Q. どんなスキルや適性が必要か?

A. 主語を行き来できる人は向いている。

「顧客は〜」「事業は〜」と主語を使い分けて考えられるようになると、インサイトマネージャーとして、より価値を発揮することができます。

新しいユーザー価値をつくりたいなら、インサイトマネージャーを置こう

ここまで、定性データのサイロ化問題を解決し、より大きな結論を組織にもたらす「インサイトマネージャー」について解説しました。

うまく導入することができれば、あらゆる施策に「確実に顧客が喜ぶだろう」と確信を持つことができるでしょう。

ハズレかヒットの状態から、ヒットかホームランの状態へとチームが進化するでしょう。

新たな価値を生み続けようと思っているチームでは、ぜひ小さくインサイトマネージャーという役割を設置してみましょう。

Centouでは、インサイトマネージャーの導入支援も行っております。こちらのフォームからお気軽にご相談ください。

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Author

Kenji Kato

Kenji Kato

年間400名以上のユーザーインタビューを実践、5回の事業立ち上げ、顧客インサイトを活用し年間売上9倍の成長などを経て、現在はインサイトマネジメントシステム「Centou」のプロダクト責任者をしています。「あらゆる企業やチームがインサイト駆動で成長できる未来をつくる」をモットーに、さまざまな組織のインサイトマネジメントを支援しています。

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