事業成長のための新しいユーザー理解戦略 —— インサイトマネジメントとは
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インサイトマネジメント
事業成長
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いまや多くの企業が、プロダクト開発・事業開発においてユーザーインタビューやユーザーヒアリングを行うようになりました。
スタートアップはもちろん、大手企業やIT以外の企業も、積極的にユーザーの声を聞く時代。
一方で、ユーザーインタビューやヒアリングを、正しくプロダクトの意思決定に活用するには、いくつものハードルがあります。
本ドキュメントでは、ユーザーの声を事業成長に繋げるハードルと、それを解決する「インサイトマネジメント」の考え方についてご紹介します。
ユーザーヒアリングやユーザーインタビューなどの定性データは、いくつかの点で扱いが非常に難しいと言えます。
認識のズレを生みやすい
「群盲象を評す」状態に陥りやすい
バイアスがかかりやすい
定量データであれば、ダッシュボードやクエリを共有することで、ある程度の共有をすることが可能です。
一方で、ユーザーインタビューの結果などは、自身が得た情報を他の人にそのまま共有することが非常に難しいです。

たとえあなたが言葉を尽くして伝えたとしても、相手はぼんやりとしかイメージができないかもしれません。あるいは、別のユーザー像を思い浮かべているかもしれません。
結果として、「伝えたはずなのに、伝わってない」など、認識のズレが非常に起きやすく、建設的な議論をすることが難しくなります。
また、チームメンバーがそれぞれにユーザーヒアリングなどを行っている場合、「群盲象を表す」状態に陥りやすいことも、定性データの扱いづらさの1つです。
「群盲象を評す」とは、目の見えない人(盲人)が、複数人でゾウを触りながら、ゾウとはどんな動物かを評価する寓話です。
人は物事の一面を理解しただけで、すべて理解したと錯覚してしまうことを表すこのたとえは、まさにユーザー理解において言えることです。

あるチームメンバーはユーザー課題をAだと言い、他のメンバーはB、また他のメンバーはCだと主張します。
意見は対立し、やがて社歴の長い人の意見にやんわりと流れていったり、当たり障りのない結論に終始することもよくあります。
全体像が見えないことで正しい意思決定がしづらい点は、ユーザーインタビューやヒアリングを意思決定に活かす上で、越えなければならない大きなハードルです。
そして、何より定性データには、常にバイアスの影響を受けるリスクがあります。

インタビューを行うメンバーの職種や役割、これまでの知識などによってバイアスがかかってしまうのです。
場合によっては、元のデータを抜きにして「この人はニーズがなかった」など、バイアスのかかった結論のみを共有してしまい、間違った意思決定につながることもあります。
正しく意思決定を行うためには、バイアスを避けるようなデータ管理や分析を行う必要があります。
このような定性データの扱いづらさを解消し、事業成長のためのデータ資産をつくる考え方が「インサイトマネジメント」です。
では、インサイトマネジメントとは、何であって何でないのでしょうか?ここからは、インサイトマネジメントの考え方をご説明します。
今までのよくあるユーザー理解の方法は、知りたいことや施策をベースに、数人・十数人にインタビューするような「点」での理解が一般的でした。

知りたいことが明らかになる点においてはこの方法は良いものの、非効率な側面も多くありました。
本当は別の施策などにも使えるものの、特定施策に閉じてしまって使えない(再利用性が低い)
担当者やプロジェクトメンバーに依存した整理方法で、異動や退職があると、ナレッジごと消えてしまう
違う部署で、同じようなデータを集めてしまう
つまり、「点」での理解は、「群盲象を評す」状態をまねきやすいため、正しい意思決定をしづらいのです。
インサイトマネジメントは、点ではなく面でのユーザー理解をおこなうものです。

満たすべきユースケース、解決すべきペインなど、あらゆるインサイトに関する事柄を、構造的に捉えるような考え方です。
さまざまインサイトが存在する中で、どのようなインサイトを、どのような順番で、どう満たすのか、といったインサイトへの戦略こそ、プロダクト戦略の肝といっても過言ではありません。

面での理解ができるようになることで、ユーザー起点での優先度判断やソリューションの検討が、圧倒的にやりやすくなります。
参考 : 10周年を迎え、今なお愛され続けるSUZURIは、どのようにユーザーインサイトを活用しているのか?
また、インサイトマネジメントは、スピードを求める企業の味方です。
検証スピードを重視する企業においては、得てしてユーザーリサーチなどは「おまけ」の扱いになることが多くありました。「時間がかかる = やりたくない」と敬遠されてしまうことも...。

「リサーチをすること」に目線を向けてしまうと、スピードが求められるプロダクト開発の現場においては、「リサーチ vs リリース」という対立の構図ができやすくなります。
これに対して、インサイトマネジメントは、リスクの低さとスピードの速さを両立するための考え方です。

インサイトマネジメントでは「リサーチをしよう」ではなく、(必要なときに)「すでにリサーチされている」状況をつくることを志向します。
参考 : なぜ今、UXリサーチに「アジャイル」が必要なのか?
点での理解から面での理解をしていくとともに、徐々に育てていくようなデータ運用をしていくことで、これまで持っているリサーチ情報・定性データを最大限活用することが可能になります。

「プロダクト仮説と、ユーザーインサイトの関係性」でも触れているように、プロダクトが成長するたびに、新しいインサイトが必要になります。
プロダクトが成長するにつれて、機能群やUIが進化するように、ソースコードが進化するように、ユーザー理解自体も育てていくというのが、インサイトマネジメントの考え方です。
ここからは、インサイトマネジメントは「何でないか?」について、いくつかのポイントを取り上げます。
まずインサイトマネジメントは、ユーザーを知ること自体を目的にした活動ではありません。

研究やアカデミックな領域でのリサーチは、知ること・理解すること自体が目的な場合もあります。一方で、インサイトマネジメントは、プロダクトや事業を成長させるような意思決定を生むことがゴールです。
インサイトマネジメントが、単なるユーザーリサーチやユーザー理解と違うのは、(どれもリサーチ情報や定性データを扱うものの)「意思決定」「データの活用」といった点に重きを置く点です。
そして、インサイトマネジメントはリサーチャーだけの仕事ではありません。ユーザー起点の事業成長を実現するための、組織全体の取り組みです。

ユーザーインタビューやヒアリングから始めながらも、あらゆるデータからインサイトを抽出し、あらゆる意思決定シーンへと接続していくことで、ユーザー起点の事業成長は実現します。
プロダクトマネジメントが、プロダクトマネージャーだけがやるべきでないという主張があるように、インサイトマネジメントは、ユーザー・顧客に関わる全員が取り組むべき活動なのです。
そのため、インサイトマネジメントは、組織全体を巻き込む変革活動であるとも言えます。
ここまで、インサイトマネジメントの概要についてご紹介しました。インサイトマネジメントを実践する企業では、早くも大きな成果が生まれています。
真にユーザーファーストで、価値あるプロダクトを生み出すためには、インサイトマネジメントが必要不可欠です。
そして、組織でインサイトマネジメントを実践するためには、専用の仕組みづくりが必要です。

単なる議事録・インタビューログの管理ではなく、活用を意図した分析基盤・データ活用の仕組みがあることで、初めてインサイトマネジメントは機能します。
日本初のインサイトマネジメントSaaS「Centou」では、組織に合わせたインサイトマネジメントの仕組みをDay1から構築可能です。定性データやリサーチ情報の活用にお困りの方は、ぜひこちらのお問合せページからご相談ください。
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Author

Kenji Kato
年間400名以上のユーザーインタビューを実践、5回の事業立ち上げ、顧客インサイトを活用し年間売上9倍の成長などを経て、現在はインサイトマネジメントシステム「Centou」のプロダクト責任者をしています。「あらゆる企業やチームがインサイト駆動で成長できる未来をつくる」をモットーに、さまざまな組織のインサイトマネジメントを支援しています。
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